Jリーグ 2016シーズンの結果 -J2リーグ-
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さて、先回の今シーズンのJ1リーグの結果に続き、
J2リーグの最終順位を確認してみましょう。
その前に・・・
J2リーグをおさらいしておきますと、
Jリーグは1999年に2部化し、
この時1部(J1)の一つ下の2部リーグとして、
“J2”が誕生しました。
ちなみに、
初年度のJ2参入クラブは、J1参入決定戦でJ1参入が叶わなかった2クラブと
第7回ジャパンフットボールリーグ (←1998年)の参加クラブのうち、
将来的なJリーグ入りを希望していた8クラブと合わせた、
計10クラブでスタートしました。
なお、J2はリーグ開始当初から現在まで一貫して1ステージ制を採用しています。
【明治安田生命2016 J2リーグ】
2月28日 開幕- 11月20日閉幕(全42節・合計462試合)
年間順位の上位2チームが、J1へ自動昇格。
3位から6位までが、昇格プレーオフで3番目の昇格権をかけて争います。
自動昇格圏内に3チームがからむ混戦状態で最終節を迎え、
頭一つ抜け出した北海道コンサドーレ札幌が1位に。
2位争いは、清水エスパルスと松本山雅FCが勝ち点で並びましたが、
得失点差の関係で、清水が2位に決定。
来季、2017シーズン
北海道コンサドーレ札幌は、5年ぶりに
清水エスパルスは、1年で
“J1復帰”です!
3位以下は、J1への1枠をかけたプレーオフにまわります。
昇格プレーオフは、年間順位3位から6位までのチームです。
その6位は、ファジアーノ岡山と町田ゼルビアと勝ち点で並び・・・
最終的には、得失点差で岡山が、6位に決定。
町田は、J3から昇格1年目で、
J1プレーオフまであと一歩と迫りました。
愛媛FCとのアウェー最終節も1-0で勝利しますが、
惜しくも(岡山とは)得失点差で、7位となりました。
今シーズンのJ1昇格プレーオフ進出チームは、
松本、C大阪、京都、岡山(*年間順位順)の4チームになりました。
J1昇格プレーオフとは?
■参加条件
・J2年間順位3位~6位の4クラブが対象。
・当該4クラブのうち、J1ライセンスが付与されていないクラブがある場合は、
同クラブを除いたクラブでプレーオフを行い、年間順位7位以下の繰り上げ出場はなし。
・当該4クラブのうち、J1ライセンスが付与されていないクラブが3クラブある場合は、
本大会を開催せず、J1ライセンスを保有する1クラブがJ1へ自動昇格。
・4クラブすべてにJ1ライセンスが付与されていない場合は、
J1リーグ16位のクラブの降格がなくなり、J2リーグ上位2クラブのみがJ1へ昇格。
(*昇格プレーオフは行わない)
■大会方式
●各1試合のトーナメント方式。
⇒J2年間順位3~6位のクラブで、各1試合のトーナメントを行う。
(*4チームの場合…3位vs.6位、4位vs.5位)
●会場は、リーグ戦上位クラブのホームで開催。
※参加クラブ数3の場合
J2年間順位3~6位のクラブのうち、出場条件を満たした3クラブでトーナメントを行い、
上記3クラブのうち、下位2クラブで準決勝を行い、勝者が決勝に進出。
※参加クラブ数2の場合
決勝1試合のみ。
■試合方式および勝敗の決定
90分間の試合を行い、準決勝および決勝とも90分で引き分けの場合は、
年間順位の優位性を確保するため、年間順位が上位のクラブを勝者となる。
今シーズンは、J2年間順位3位~6位の4クラブは全て、
J1昇格に必要な、J1ライセンスを保有しているため、4クラブでの開催となりました。
準決勝のカードは、
「松本FC vs. ファジアーノ岡山」
「セレッソ大阪 vs. 京都サンガF.C.」
となりました。
この2試合の勝者が決勝を戦い、来季のJ1のキップをつかみます
では、J1昇格プレーオフの結果を確認してみましょう。
★準決勝
M1 @松本
一年でJ1復帰に奮起する松本と、初のJ1昇格を目指す岡山との一戦。
前半23分、岡山の攻撃。
縦のロングボールを、2トップの1角の赤嶺真悟㉔選手が頭で落とし、
そのボールにFW押谷祐樹選手⑭が、相手DF陣の一瞬の隙をつき走り込み、
ペナルティーエリアの外からミドルシュートを決め先制に成功。
1点差でアウェー岡山のリードで前半を折り返します。
1-0で折り返し、このままだと敗退してしまいます松本は、後半攻勢に出ます。
74分に左からのコーナーキックを、
中央で一瞬の速い動きでボールに向かい、頭で合わせたのが、松本MFパウリーニョ選手⑭でした。
このゴールで1-1となり、年間順位で上回るホーム松本が俄然有利になりました。
年間順位6位の岡山にとっては、勝利が絶対条件の中、90分が経過。
試合は、後半アディショナルタイムに突入。
松本は、このまま(引分のまま)逃げ切れば決勝進出のところ・・・
岡山のMF矢島慎也選手⑩の縦方向への浮き球のパスに
途中出場のFW豊川雄太㉚が頭で落とし、そのボールをFW赤嶺選手㉔が、
相手GKの出鼻で左足でプッシュ。
ボールがゴール右隅に決まり、岡山が逆転に成功。
冷たい雨の中の熱戦を制し、決勝に進んだのは“岡山”でした。
2016年11月27日15:33
松本平広域公園総合球技場
観客数: 12,200人
主審: 扇谷健司
松本山雅FC(3位) 1-2 ファジアーノ岡山 (6位)
得点:[松本]パウリーニョ 74分 [岡山] 押谷祐樹 22分,赤嶺真吾 90+2分
M2 @大阪
どちらもJ1での経験のある実績のチーム同士の争いとなりました。
昇格に望みをつなぐ一戦が・・・
大阪南西部を中心に拠点にしていますセレッソ大阪(*C大阪)と、
京都を本拠地とする京都サンガの、“近畿ダービー”となりました、
まず先制点を挙げたは、ホームC大阪のFW柿谷曜一朗選手⑧。
ソウザ選手⑥の、ゴールから推定30m以上はあるかと思われる距離からの
強烈なミドルシュートのこぼれ球に素早く反応。
相手GKの鼻先でチップキックで浮かし、鮮やかに先制。
このままC大阪、京都とも決定的なチャンスを何度か迎えますが、
ゴールにならず、時間は刻々と過ぎていきます。
年間順位が下回る京都は、絶対勝利が必要な状況の中、
後半開始からベテランのMF山瀬功治選手⑭に代えて、同じくMFの23歳の堀米勇輝選手⑪を、
66分にFWイ・ヨンジェ選手⑯を下げて、同じくFWの有田充希選手⑰を投入し、
局面打開を図ります。
前掛かりになる京都に対し、C大阪はカウンターから何度も好機を作りますが、
2点目を決めることができず時間は経過していきます。
一方京都は、後半84分に、エースストライカーFWエスクデロ選手⑩が強烈なシュートを放ち、
同点かと思われましたが、これまで再三好セーブを見せていたC大阪GKキム・ジンヒョン選手㉑が
横っとびでそれを阻止。
得点を許さず、試合は後半残り時間がなくなっていきます。
このまま終われば、年間順位が上回るC大阪の文句なしの決勝進出が決まるところでしたが・・・
手元の時計では90分、相手のクリアボールをゴール正面約30m離れた所で
フリーで拾った京都DF本多勇喜選手⑥は、迷わず前線に浮き球のボールを送り込みます。
それをDF菅沼駿哉選手②が頭で落としたところ、
途中から入った有田選手⑰がワントラップして、相手GKのブロックの前に右足でプッシュ。
同点に追いつきます。
このゴールの直後、アディショナルタイムは4分が表示されます。
この4分間、両チームとも相手ゴールに迫りますが、決定的なところは互いに譲らず、
そのままタイムアップ。
激しい雨の中、1-1のドロー。
年間順位に優るC大阪が、決勝進出を決めました。
2016年11月27日15:35
キンチョウスタジアム
観客数: 13,922人
主審: 松尾一
セレッソ大阪(4位) 1-1 京都サンガF.C.(5位)
得点:[C大阪]柿谷曜一朗 13分 [京都] 有田光希 90分
★決勝
この一戦で来季のJ1昇格が決まる重要な一戦は、
準決勝に続き、雨の中での試合となりました。
C大阪と岡山の過去のリーグでの対戦成績は、C大阪の5勝2分け0敗。
会場はC大阪ホームのキンチョウスタジアム。
年間順位が4位と6位の対戦。
現日本代表の山口蛍選手㊶をはじめ、
代表クラスのプレーヤーが多数在籍するC大阪が優位に立っているように感じますが・・・
これまでの昇格プレーオフの歴史の中では、
2012年に大分トリニータが、
2014年にモンテディオ山形が、
年間6位ながら見事昇格を果たしています。
試合の前半は、C大阪のペースで進みます。
この試合で左サイドに位置するMF杉本健勇選手⑨(*ロンドン五輪日本代表)、
そして前線に位置するFW柿谷曜一朗選手⑧(*元日本代表)がアクセントとなり、
たびたびチャンスを作りだします。
そして、ボランチのMFソウザ選手⑥のミドルレンジからのシュート。
(◎前半だけで6本ものシュートを放っていました)
その積極的な姿勢は、相手の脅威になっていました。
一方、岡山は岩政大樹選手㉟(*元日本代表)が放った2本のシュートのみですが、
いずれもセットプレーから、高さと強さを活かしたヘディングシュートでした。
15分の右サイドからのフリーキックからと、37分の左コーナーキックからでしたが、
数少ないチャンスで得点の臭いを感じるシーンでした。
また、失点ゼロでハーフタイムを迎えることができたのも、
アウェー岡山にとっては、プラン通りだったともいえます。
後半開始早々、岡山は立て続けにチャンスを演出します。
47分、左サイドからのMF矢島慎也選手⑩のパスを受けた、MF三村真選手⑪がシュート。
さらにその2分後、再び左サイドから片山瑛一選手⑲がクロスを送り、
これに豊川雄太選手㉚が頭で合わせます。
いずれのシュートも枠をとらえたものの、
韓国代表でもゴールマウスを守る、C大阪GKキム・ジンヒョン選手㉑のファインセーブに
阻まれます。
このピンチをしのいだC大阪は後半52分、ついに待望の先制ゴールを挙げます。
丸橋祐介選手⑭の右からのコーナーキックに対し、
ファーサイドで待ち受けるソウザ選手⑥が、ヘディングシュートを放ちます。
岡山GK中林洋次選手①が身体に当てるもののキャッチできず、
そのボールを清原翔平選手⑱が、倒れ込みながら左足でゴールに押し込みネットを揺らします。
失点した岡山が昇格するためには、これで2点が必要になりますが、
充分時間は残されていました。
岡山は、先のリオ五輪代表でも活躍した矢島選手⑩の縦方向のパスが、
相手に脅威を与えていました。
ただ、受け手となり得るプレーヤーが、赤嶺真吾選手㉔1人というかたちでは厳しく、
なかなか得点への活路が見いだしにくい状況でした。
ゲーム終盤には、岩政選手の高さを活かしたパワープレーでゴールをこじ開けようと試みますが、
C大阪の守備陣はこれをしっかりブロック。
昨シーズンの昇格プレーオフ決勝は、
C大阪は土壇場で福岡に同点弾を浴びて、J1昇格の道を断たれてしまいました。
(◎昨年の昇格プレーオフは、年間3位の福岡と4位のC大阪の対戦で1-1で、福岡が昇格)
その教訓は、確実に活きていました。
試合はこのまま、1−0のスコアのままタイムアップ。
3シーズンぶりとなる、C大阪のJ1復帰が決まりました。
2016年12月4日15:34
キンチョウスタジアム
観客数: 17,086人
主審: 西村雄一
セレッソ大阪(4位) 1-0 ファジアーノ岡山 (6位)
得点:[C大阪]清原翔平 52分
最後に、
この試合の会場の外には、
このたび昇格プレーオフ決勝のホームチームであるセレッソ大阪と
さらに、同じJ2のジェフ千葉の
両チームでのプレー経験のある、ケンペス選手の献花台が設けられました。
エヴェルトン・ケンペス・ドス・サントス・ゴンサウベス
(ポルトガル語: Everton Kempes dos Santos Gonçalves)
1982年8月3日生まれ。
ブラジル・ペルナンブーコ州出身。
ポジションはフォワード。
登録名ケンペス。
2004年にパラナ・クルーベでプロ選手としてのキャリアをスタート。
その後はブラジル国内の中小クラブでプレー。
▽
2005年ヴィトーリアFC
2006年セルトンジーニョFC
2007年クルーベ・キンゼ・デ・ノヴェンブロ
2007年セアラーSC
2008年SERカシアス・ド・スル
2008年イパチンガFC
2009年クリシューマEC
2009年ー2012年アソシアソン・ポルトゥゲーザ・ジ・デスポルトス
・2010年ECノヴォ・アンブルゴ(期限付き移籍)
・2010年セアラーSC (期限付き移籍)
・2011年アメリカFC (期限付き移籍)
2012年、自身初の国外クラブとなるセレッソ大阪へ期限付き移籍。
リーグ戦27試合で7得点をあげたものの、
10月16日、退団とポルトゲーザへの復帰が発表。
2013年1月、ジェフユナイテッド市原・千葉へ完全移籍。22得点を挙げ、J2得点王に輝く。
2015年1月、契約満了による退団が発表。3月、ジョインヴィレECへ移籍。
2015年12月16日、シャペコエンセへ移籍。
2016年11月28日、
コパ・スダメリカーナ2016の決勝に参加するため搭乗していたコロンビアのメデジンに向かう
ラミア航空2933便の墜落事故に遭遇して死去。
満34歳没。
ケンペス選手のご冥福を、
サッカーファミリーとして、謹んでお祈りいたします。