Road to Russia ~第4節の結果と第5節~
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11月15日、
ワールドカップアジア最終予選、第5節が行われます。
このアジア最終予選の初戦をホームで落とした日本は、
正に「絶対に負けられない1戦」が続いています。
前節は、強豪オーストラリアと対戦。
接戦の末、引き分けの結果で、勝ち点1は得ることができました。
《2016年10月11日 》
◎グループA
カタール 1-0 シリア
ウズベキスタン 2-0 中国
イラン 1-0 韓国
◎グループB
イラク 4-0 タイ
サウジアラビア 3-0 アラブ首長国連邦(UAE)
オーストラリア 1-1 日本
◆各グループ上位2ヶ国が、W杯出場権を獲得します。
グループ3位同士は、アジアプレーオフを行い、
勝利チームが北中米カリブ海予選4位チームとの大陸間プレーオフに回ります。
開始早々に、
原口選手の3試合連続となるゴールで先制に成功した日本。
その後は、ボールを保持して攻めるオーストラリアに対して、
日本は、カウンターを仕掛ける形で試合が進みます。
互いに集中を切らすことなく、緊張感のある展開で前半の45分間が終了。
しかし、後半7分に相手にPKを決められて同点に追い付かれると、
後半はオーストラリアのペースに。
徐々にパワーの優るオーストラリアが、ロングボールでディフェンスラインの裏を突き始め、
押し込まれるシーンが続きます。
さらに、“日本戦8試合5ゴール”のケイヒル選手が途中交代で登場し、
終盤は苦しい展開になります。
厳しい試合は、1-1のままタイムアップ。
この試合において日本は、
負傷で出場できない選手が出る状況の中で、
会場はアウェーの地。
その不利な状況の中、何とか勝ち点1を挙げることができました。
では、第4節まで進みましたワールドカップアジア最終予選の状況を確認してみましょう。
国際Aマッチデーを利用した、
先日のキリンチャレンジカップ(11/11@カシマサッカースタジアム)では、
日本代表は、次戦の“サウジアラビア代表を想定した”オマーン代表を相手に、
大迫選手の2ゴールを含む4得点を挙げ、4-0で快勝。
この後のアジア最終予選に向けて、大きな弾みをつけました。
ただ、次の相手サウジアラビアは、
これまでの4試合を3勝1分の無敗で、
現在グループBの中、堂々の『1位』を走っています。
では、第5節の相手、サウジアラビア代表を検証してみましょう。
【サウジアラビア代表】
ワールドカップには・・・過去4回出場。
初出場から、前回大会までの戦績については以下の通りです。
1994 - 出場/ベスト16
1998 - 出場/グループリーグ敗退
2002 - 出場/グループリーグ敗退
2006 - 出場/グループリーグ敗退
2010 - 予選敗退
2014 - 予選第3ラウンド敗退
[4大会出場:2勝9敗2分]
1994年のアメリカワールドカップでは、グループリーグを2勝1敗で通過し、
決勝トーナメントに進みます。
トーナメントでは、1回戦(ラウンド16)でこの大会の3位スウェーデンに
1-3で惜しくも敗れるものの善戦。
アジアの力を世界にみせることができました。
何といっても、グループリーグ最終戦のベルギー戦でサイード・オワイラン選手がみせた
“5人抜きドリブルシュート”は、今でもワールドカップの歴史の記憶に強く残されています。
その後は、4大会連続で出場するものの、直近の2大会(*2101,2014)はアジアの壁を破れず、力の低下を指摘されるようになっていました。
ただ、この流れを断ち切るべく、協会は代表チームの強化を断行。
オランダから、破格のオファーで実績がある外国人監督を招聘。
次のロシアワールドカップのアジア代表の座を、全力で狙っています。
監督は、オランダ人のベルト・ファン・マルヴァイク氏。
1952年生まれの、現在64歳。
ファン・マルヴァイク氏は、
1969年にプロデビューし、その後オランダ代表でのプレー経験もあります。
(*1988年に現役を引退)
1990年から下部リーグの監督を経て、
2000年シーズンからエールディヴィジ(オランダ1部リーグ)フェイエノールトの監督に就任。2002年には現コンサドーレ札幌の小野伸二選手たちと共に、
『UEFAカップ(*現在のUEFAヨーロッパリーグ)を制覇』。
2008年8月からは、オランダ代表の監督に就任。
2010年の『FIFAワールドカップで準優勝』に導きます。
ただ、
2012年のUEFA欧州選手権では、グループリーグを全敗に終わり、
契約期間が2016年まで残っていたところ、契約途中で辞任。
2013年9月から2014年2月までドイツ・ブンデスリーガのハンブルガーSVで指揮を執った後、
今年2016年より、サウジアラビア代表の監督に就任。
ではさらに、サウジアラビア代表を深掘りしてみますと・・・
これまでの対戦成績は?
初対戦は1990年9月28日の中国(北京)でのアジア競技大会。
そこから11試合、日本の7勝1分3敗で、日本が勝ち越しています。
FIFAランキング(*2016年10月20日更新)は?
サウジアラビア代表は54位、日本代表は51位、とほぼ互角。
年齢は?
サウジアラビア代表は、22歳から32歳(*平均27.96歳)
日本代表は、21歳から33歳(*平均26.88歳)
身長は?
サウジアラビア代表の平均身長は、176.12センチ
日本代表の平均身長は、178.84センチ
◎平均ではありますが、「日本のほうが2センチ余り高い」ことになります。
招集メンバーは?
▽GK
アッサフ・アルカルニ(アルイテハド)
ワリード・アブドゥラー(アルシャバブ)
モハンメド・アルオワイス(アルシャバブ)
▽DF
オサマ・ハウサウィ(アルヒラル)
オマル・イブラヒム・オスマン(アルナスル)
ハッサン・ムアト・ファラタ(アルシャバブ)
マンスール・アルハルビ(アルアハリ)
モハンメド・ジャハファリ(アルヒラル)
モタズ・ハウサウィ(アルアハリ)
ヤシル・アルシャハラニ(アルヒラル)
モハンメド・アルブライク(アルヒラル)
▽MF
タイシール・アルジャッサム(アルアハリ)
アブドゥルマレク・アルハイブリ(アルヒラル)
アブドゥルマジード・アルルワイリ(アルヒラル)
フセイン・アルモカハウィ(アルアハリ)
アワド・アルファラジ(アルナスル)
サルマン・ムワシャル(アルアハリ)
サルマン・アルファラジ(アルヒラル)
ナワフ・アルアビド(アルヒラル)
シャヤ・シャラヒリ(アルナスル)
ヤヒア・アルシェハリ(アルナスル)
フハド・アルムワッラド(アルイテハド)
▽FW
ナシル・アルシャムラニ(アルヒラル)
モハンメド・アルサハラウィ(アルナスル)
ナイフ・ハザジ(アルナスル)
◇上記の通り、メンバーは国内クラブに所属しています。
理由としては、国内の石油資本を背景に、
ハード面、ソフト面共に非常に充実していることが挙げられます。
過去には、「砂漠の英雄」の異名を持つサウジアラビアの英雄、サーミー・アル=ジャービル氏と
現在もアル・ナスルで現役を続けていますフセイン・スライマーニー選手の2人が、
海外でプレーの経験がある以外は、全員が国内でプレーしています。
背景に、「かつて国が選手の海外移籍に厳しい制限を設けていたこと」と
(制限が緩和された後も)
「オイルマネーにより潤沢な資金を持つ国内リーグは年俸面の優遇が大きく、
選手たちが海外に移籍したがらない傾向にある」そうです。
注目プレーヤーは?
ナワフ・アルアビド選手(ポジション:MF)
現在、26歳の最も注目度の高いプレーヤーです。
アジア最終予選のサウジアラビアの8点の内、4得点を決めているゴールゲッター。
サウジ・プロフェッショナルリーグ1部の強豪、『アルヒラル』に所属しています。
(*アルヒラルは、サウジアラビアリーグで最も優勝しており、
2004年以降“優勝か2位”の好成績を収めています)
ナワフ・アルアビド選手は、
2010年5月29日の国際親善試合のスペイン戦でA代表としてデビュー。
西アジアの王者を決めるガルフカップの2014年大会では、最優秀選手に選ばれています。
ストロングポイントは、アジリティの高さを生かしたドリブル。
俊敏な切り返しで、相手を置き去りにできるばかりでなく、相手の意表を突くプレーも得意とし、
個の力で局面を打開できるプレーヤーです。
フハド・アルムワッラド選手(ポジション:MF、FW)
このチームの中で、最年少の22歳ですが、
サウジアラビア代表として36試合に出場し、8ゴールしている実力のあるプレーヤーです。
身長168センチと小柄ながら猛烈なスピードとテクニックに加え、冷静なプレーが特長です。
16歳のころから、歴史あるクラブ、アルイテハドに所属。
幼い頃より、地元では有名なサッカー少年で、
あの「バルセロナもスカウトに訪れた」というエピソードも持ちます。
今回のアジア最終予選では、毎回後半に登場し、UAE戦では1ゴールを記録。
モハンメド・アルサハラウィ選手(ポジション:FW)
現在、アルナスルに所属する29歳のプレーヤー。
2006年からユース代表に選ばれ、2010年からはサウジアラビアA代表。
現在のチームの中で、
最もゴール数の多い(*国際試合25試合出場で、24ゴール)ストライカーです。
アジア最終予選が始まってからは、まだ試合に出ていませんが、
最終予選前は、14ゴールを記録。
ベテランの域に入り、名前、実力ともにサウジアラビアを代表するプレーヤーです。
前節は、アジア最終予選の初戦で日本を破った、UAEに3-0と完勝。
その攻撃力は圧巻でした。
全て『高い技術力』がなければ、成しえないゴールばかりです。
日本にとっては、間違いなく難しい相手ではありますが、
この難局を乗り越えて、
最終予選を通じて、さらに強いチームへと成長することを願うばかりです。
テレビ中継は以下の通り、このたびも地上波、衛星共に予定されています。
【テレビ中継】
『オーストラリア代表 対 SAMURAI BLUE(日本代表)』[HOME 埼玉スタジアム2○○2]
2016年11月15日(火) 19:35 キックオフ(予定)
1.地上波 19:00~21:35 テレビ朝日系列 ・2.衛星 18:55~22:00 NHK-BS1
がんばれニッポン!!