ひざの痛み -オスグッド・シュラッター病- “原因その2”
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さて、オスグッドシュラッター病について、その原因を考えたいと思います。
成長期に起こりやすい、ひざ下の痛み・・・
これが「オスグッド・シュラッター病(*以下オスグッド)」でした。
※その詳しくは、これまでの記事をご確認ください。
➠ひざの痛み -オスグッド・シュラッター病-
ひざ下にある、すねの上部の骨を引っ張っている原因となっているのが、
大腿四頭筋(太もも前側)の筋肉です。
この太もも前の筋肉が、硬直している元となっているもの
① 高強度のひざの曲げ伸ばし運動を行っている
② 太もも前側が緊張する姿勢や動作を行っている
まずは、この2つを確認していただくことをお勧めしました。
では、それ以外はないのでしょうか?
今回は、「意外と気がつきにくい部分」にスポットを当てたいと思います。
前回も書きましたが、
「ひざの曲げ伸ばしを行わないスポーツは、ほとんどありません」
陸上で行うどのスポーツも、大半が走ることを基本にしているからです。
“走ること=ひざ”を使います。
しかし・・・一般的に、良い動きをするアスリートは、ケガが少ないといいます。
同じトレーニングメニュー(*学校等では、同じ活動や同じ遊び)をこなしても、
ケガをしやすい人と、ケガをしにくい人に分かれます。
なぜでしょうか?
それは、ケガをしにくい人は、同じ運動をしていても、
『負荷のかかり方が違う』からです。
負荷のかかりやすい動きのポイントとは?
次は、その説明になります。
⑴ 腰が落ちたまま動いている
⑵ 身体に力を入れてしまう癖がある
今回は『腰が落ちる』ということについて書きたいと思います。
◎腰が落ちたまま動いている
腰が落ちると、太ももに負荷をかけます。
では、『腰が落ちている』ということは、どのようなことでしょうか?
例えば、走っている時を想像してください・・・。
腰が落ちた人は、接地した瞬間に膝が曲がり過ぎていて、
「腰が低い位置」になっています。
横から見ても、身体の軸がまっすぐ保てていないため、重心移動が上手くできません。
したがって、脚の筋力だけに頼る走り方になります。
[腰が落ちた動きの具体的な特徴]
●下の中で一つでも見つかった場合は、「腰が落ちている可能性大」です!
その1.腰が後に引けていて、上半身が前に被っている
その2.上半身が棒立ちで、膝が曲がっている
その3.ベタベタ、バタバタとした走りになっている
…接地した足がなかなか地面から離れないため、“重い印象の走り”になります。
そして、前になかなか進めません。
上記のような走り方(動作)は、決して効率的ではないため
短距離走ではスピードが出にくい
長距離走では足腰が疲れやすい
です。
理想の身体の軸は、“横から見て垂直で一直線”です。
つまり、頭のてっぺんから・・・首・肩・腰・膝・足首が一本通った状態です。
腰が落ちながら動いている人は、
それまでずっとその姿勢や動きで、現在まできたために、
自分では「腰が落ちているとは思っていない」ことが多いのが実情です。
腰が落ちる大きな原因の一つは、悪い姿勢のまま動いていることがあります。
まずは、オスグットの先回の記事(-オスグッド・シュラッター病- “原因その1”)をご参照の上、
ご自身、またはお子さまの姿勢のチェックと改善に努めてください。
[腰が落ちてしまう要因]
❶体幹の力が弱い(*腹筋、背筋等、姿勢を維持する筋肉が弱い)
❷脱力する(楽な姿勢をとる)ことがクセになっている
❸姿勢をキープすることへの意識が乏しい
❶ですが、「腰が落ちるのは腹筋がないからだ」ともいわれますが、
ただ鍛えるだけでは、あまり改善はされません・・・。
やはり、『良い姿勢への意識』が大切になってきます。
「頭を上に突き上げる」、「頭のてっぺんからつり下げられているような」
意識を必ず持つことを忘れないでください。
近年、子どもたちの中で多いのが、❷であると感じます。
日常の中で、難しい姿勢をとることが減り、反対に楽な環境に浸かっています。
例えば車であれば・・・
自動スライドドア、低床、センターピラーレス(*中央の柱がない)、リクライニングシートなど、
人間にとって、どんどん“楽”な仕様になってきました。
日常生活でも、一般的な住宅でもバリアフリー化が進み、
年齢に関係なくつまずくことを回避する(*姿勢を整え、段差や障壁をよける)ことも
少なくなっています。
また、学校や家庭においても姿勢を良くするという働きがけ自体が、減ってきているのも事実です。
(◆挨拶・返事・履物をそろえる・姿勢を正す・食事のマナーといった、“態度教育”が低下してきています)
姿勢を正すこと・・・立腰(りつよう)というものを日頃から取り入れておくことで、
運動時の姿勢も変わってくるはずです。
とにかく、腰を落とさないで動くには・・・
意識と体幹の力が必要です。
最後に、一流アスリートの腰が落ちない、美しい走りのフォームをご確認ください。
[上]デービッド・レクタ・ルディシャ選手(ケニア)
リオデジャネイロオリンピック、800m 金メダルリスト
[下]モハメド・ファラー選手(英国)
リオデジャネイロオリンピック、5000m、1万m 金メダリスト
“腰を落とさない”
そのポイントを押え、実践することで、姿勢は良いものに変わり、
ひいては、オスグッドを防ぐことにもつながります!