ひざの痛み -オスグッド・シュラッター病- “原因その1”
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成長期に起こりやすい、ひざ下の痛み・・・
これが「オスグッド・シュラッター病(*以下オスグッド)」でした。
※その詳しくは、前回の記事をご確認ください。
ひざ下にある、すねの上部の骨を引っ張っている原因となっているのが、
大腿四頭筋(太もも前側)の筋肉です。
この太もも前の筋肉が、硬直している元となっているのは、
一体何でしょうか?
まず考えられるのが、
① 高強度のひざの曲げ伸ばし運動を行っている
② 太もも前側が緊張する姿勢や動作を行っている
この2つをまずは確認する必要があります。
「ひざの曲げ伸ばしを行わないスポーツは、ほとんどありません」
つまり、陸上で行うどのスポーツも大半が走ることを基本にしているからです。
“走ること=ひざ”を使います。
成長期に限らず、
運動後は、特に“太ももの表裏の筋肉”は、入念にストレッチする必要があります。
ただし、それ以上に気をつけなければいけないことは、
以下のような
「目的から離れたトレーニングをしていること」や、
「負荷の限度を超えたトレーニング」
を行わないことです。
さらに、「姿勢の面がオスグッドを引き起こす原因」にもなっている点に注目する
必要があります。
①トレーニング方法の誤り
1.筋力アップだけを目的としたトレーニング
・“筋肥大”のみを考えたトレーニング
・高負荷のウエイトトレーニング
適度に筋力をつけることは大切な事ですが、
負荷をかけて筋肉だけつけていくと、その筋肉が鎧のようになってしまい動きづらくもなります。
理想とする筋肉は、「使えない筋肉」ではなく、「使える筋肉」です。
使える筋肉とは、
『必要なだけの筋量と柔軟性があり、筋肉が動きの邪魔をしない』
ということです。
また、骨格が未発達(発展途上)の育成年代のアスリートには、
関節にかかる負荷を考えたトレーニングを心掛けなければいけません。
基本的なことですが、小学生にウエイトトレーニングは、全く必要がありません。
(*身体に負担をかけるだけで、良いことがありません)
2.ジャンプ系のトレーニング
・ボックスジャンプ
・シザーズジャンプ
・バウンディング
など“ジャンプを繰り返す”トレーニングを続けると、自ずと太ももの前が硬くなりやすいです。
3.ダッシュ→ストップを繰り返すトレーニング
・シャトルラン
・体育館での練習
“急な方向転換”も、太ももへの負荷が多くなります。
ひざが痛い時には、控えるようにしましょう。
4.ひざが深く曲がり、ひざ関節に高い負荷が掛かるトレーニング
・うさぎ跳び
・フルスクワット
・リズムスクワット
・ バービートレーニング
トレーニング時の膝角度が“鋭角”になればなるほど、
「膝関節への負担が大きくなる」ことを知っておく必要があります。
5.限度を超えたトレーニング量と頻度
・過度な走り込み
・長時間に及ぶトレーニング
強度、時間、頻度を無視したトレーニングは、
ひざだけに限らず、身体のあらゆる部位に負担を強いることになります。
②姿勢と骨盤の傾き
太もも前側が硬くなる子の多くは「姿勢が悪い」ことが特徴です。
スポーツ以外に、勉強している時や、それ以外にも、
ただ座っている時、立っている時、背中が丸まっていませんか?
その姿勢が原因で、太もも前側の筋肉を硬くしてしまっています。
◎太ももの前を硬くさせやすい姿勢とは、「骨盤が後ろに倒れている(骨盤の後傾)」状態です。
骨盤とは、腰にある骨で、背骨を支えている土台、脚の付け根の部分です。
その骨盤には太ももの前側の筋肉がついており、
『骨盤が後ろに倒れると、筋肉がひっぱられる』関係で、自ずと硬くなります。
☆普段からの自分の姿勢が、「骨盤が後傾しているか」を
簡単にチェックすることができます。
⇒ ☑ まず自分の太ももの前の筋肉(つけ根辺り)を、手でしっかりとつかみます。
▲ここで、「“硬い”感じ」がしたら・・・
日頃より、骨盤が後傾して、太もも前側の筋肉に負荷がかかっています。
△特に、「“硬さ”を感じなかった」場合は、『膝を少し前方に出し、背中を丸めてみる』・・・
つまり骨盤を後傾させますと、自然に(太もも前側に)硬さを感じられると思います。
大切なことは、
『どのような姿勢をすれば太もも前側の筋肉が硬くなるのか』
を知っておくことです。
骨盤が後傾している姿勢が定着してしまいますと、
スポーツをしている時、立っている時、椅子に座っている時も、
休むことなく絶えず、太ももの前側の筋肉がひっぱり続けられています。
そのような姿勢を日頃からしていることで・・・
その影響で、必然的に太ももの前が硬くなり、ひざ下が痛くなります。
これが、正にオスグッドの間接的な大きな要因です。
反対に姿勢の良い子は、
普段から骨盤が適正な位置にあり、太ももの前側の筋肉は「柔らかい状態」になります。
普段、自分が
どのような運動、トレーニングをしているのか?
どのような姿勢で生活をしているのか?
これらを見直すことから、まず始めましょう!